だから……とりあえず!?


同じバンドに1コ上のちょっとおせっかいな先輩がいたんだ。

その人にケンへの気持ちを相談してみることにした。


共通の知り合いだから安心してた。




誰かに聞いてもらえればそれだけでも楽になれるかな?


むしろ、誰かに聞いてもらわなければもう抑えられなかったのかもしれない。





そんな想い。



それだけの想い。





ところが!!





センパイは私の目の前で、近くのお店へケンを呼び出すと一言。




「葵がケンの事好きなんだって!!!」




それだけ残して……。





消えてしまった。





手を大きくあげて去っていく後ろ姿を見送る。





真っ白になる頭の中。




センパイ……今……なんて……ゆった??





恥ずかしくてケンの顔が見れないよ。







それからアタシ達の間にはしばらく沈黙が続いた……。