別居生活が始まって1ヵ月後。
緑色の薄っぺらい書類を抱えたアタシ。
アツシとは時間が合えば遊んだりしたけど……また信頼する所までは至らず、結局元には戻れなかった。
「また結婚しようね」
アツシはそんな事を最後まで言ってた。
アタシの親の説得がなかったらこんなに早く離婚出来なかっただろう。
首を横に振ったら離婚届を破られそうで
「そうだね……」
そう言った。
嫌いになって別れるよりは、相手に嫌われるよりは、きっといいんだよね?って思ってた。
ケンの時と一緒。
嫌いになれれば忘れられるのに。
いつの間にかアツシの存在が大きくなっていたんだ。
アツシが変わる事。
たぶんアタシは期待してた。
「それではこの届出は受理されましたので……」
結婚、離婚……薄い紙切れをこうして出す行為に意味はあるのだろうか?
夫婦であった事に……何か理由はあったんだと、今はそう思うしかない。