それに……アツシは同じような境遇の人。
いいトコ育ちのケンよりも汚れたアタシには合ってる相手なんだと言い聞かせた。
「ケンの事が忘れられないかもよ?」
確認するように何度も言うアタシに
「それでもいいよ」
安心させるように何度でもアツシはそう言ったんだ。
この頃が一番幸せだったね。
毎日一緒にいて、つまんない事で笑いあって。
どっちが変わっちゃったのかな?アタシ??それともアツシ??
結局……両方??
東京に行ったら何をしよう?
そんな話もいっぱいしたのに。
遠い街はいつまでも遠い街のままだった。