「小さいからこそいいんだろうが、というか先輩だったら俺はどんなものでも構わない」
胸を張り、堂々とそう宣言すると、さっきまでの爽やか笑顔が一変して川崎は顔をひきつらせた
「お前の方が色々とやばい気がするぞ…」
若干引かれたようにも思えたが、そんなもの気にならないぐらい俺の頭の中はひなの先輩でいっぱいなのだ
そのあと、暫く何故か後をついてくる川崎と他愛のない話をしていると、向こう側から新庄がこっちに向かって走っている姿が見えた
「さーわーしーろ!!てめぇ!!時間!!見ろよ!!」
何故か怒り気味の新庄は俺の元に着くなり、そんなことを言う
「時間?」
「おまっ!バスケ!!次の試合まであと5分切ったのに、なんで会場に来ないんだよぉぉ!!」
「あっ、忘れてた」
というか覚えていない
今日の全試合、俺はいつ何処でどのチームと対戦なのかをまったく頭の中に入っていない
唯一覚えていたのが、ひなの先輩のソフトボールの試合の開始時刻だけ