「うー、やっぱ沢城欲しいわー。沢城がいてくれたら百人力なのに…」
「生憎、俺部活には入らないから」
落ちこんでいる川崎を無視し、その場から離れたが、何故だが川崎も後ろからついてきた
「そーいやお前、バスケ部の部長から直々にお願いされたのに、それも蹴ったんだって?」
「まぁな」
入学してから一ヵ月も経ってないころ、バスケ部の部長が俺の元へとやってきて頭を下げてきたが、それも断った
その時は理由なんてものはなくただただめんどくさかったから
「サッカー部の顧問の木下もさっきのお前の試合見て、『やっぱ沢城、入ってくれねぇかな』ってぼやいてたのも聞いた。お前、すげぇのな」
「へぇー、そう」
昔から何でも人並み以上に器用にこなせる俺は今のようにたくさんの人から数々の勧誘を受けてきたが、どれもイマイチ興味が持てなかった
まぁ、今もひなの先輩以外には興味はないけど
「こんなにたくさん勧誘されるなら、試しに入ってみたらいいじゃないか。案外、楽しいかもしれないぞ。ちなみにバレー部はいつでも大歓迎だ!!」
「無理。そしたら先輩と一緒に帰れなくなる」