そう告げると、颯太くんは何も言わず でも、壁に押し付けたままのあたしの両手を離すことはなかった。 「颯太くん…手、離して…?」 「…」 胸が苦しい。 こんなにも焦がれる恋を、あたしは今まで知らなかった。 教えてくれて、ありがとう。 でももう、こんなに苦しいのは耐えられないの。