少しして、風邪をひくからと、またワタルの服を借りることになった。

「ごめん、取り乱して」

着替えている間に、なんとワタルがお湯を沸かしていた。

「忘れられないのか」

「ん…」

あの日のように、あたしたちはカプチーノを飲んだ。

甘くて、全身が温まる。

「そいつが捕まった、としても?」

「へ?」

ワタルは自分で言ったくせに、何事もないようにマグカップを傾けている。

「どうゆう…」

聞きかけたとき、

ガチャ―

テツの帰ってくる気配がした。