それからすぐのことだった。

「……っ!?」

パチン、と電気が消え、真っ暗になった。

停電だ。

「うそでしょ…」

あれ以来、暗闇を避けていたのに。

記憶が、蘇りそう。

どうしよう。

真っ暗な中に浮かぶのは、

無精ひげ……


カターンッ―

体が震えて、桶の落ちる音が響いた。


ドクン…
ドクン…