パシッ―

ワタルの頬をぶったのと同時に、涙が溢れた。

「あたしはっ…本気で…」

どうしてだろう。

抑えていた感情が、爆発するみたいに。

「大好きだっ…た…のっ…」

ポタポタッ―


きっと、誰かに受け止めてほしかったんだ。


何も言わないワタルの前で、あたしは子どもみたいに泣いていた。

笑われるって思ったのに、ワタルはじっと空を見上げていた。