「アユム、お使い頼んでいい?」 「えー」 ちょうど連ドラのいい所だったのにっ。 「ほら、早く。お店閉まっちゃう」 「はぁい」 ママってば相変わらず強引なんだから。 あたしは普段着のまま、携帯も持たずに家を出ることにした。 鏡に映る自分は、化粧っ気のない顔をしている。 ママのママがアメリカだからか、あたしはその血を継いだ。 いつもならなんてことのない外出だった。