「あれ、早かったな」

パソコンに向かっていたテツが言った。

「まぁな」

「こっちもOK。簡単だった」

「どっか潜ったのか?」

「ひ・み・つ」

テツは番号の書かれた紙切れを差し出した。

「協力すっから」

いつものように目を細めて、親指を立てた。

その側には何やら眼鏡なんかが散乱していた。

今回は何に変装するつもりなのか。

「分かってるよな?テツは…」

「はいはい。女が騒いだときのためね」

「ならいーや」

こいつ以上の役者はいない。