でも、と考えた。 いい案だ。 「娘に裏切られたら、屈辱なんじゃねえの?」 「そうだな」 計画変更だ。 俺はあの女に近付いてやる。 「出かけてくる。あの女の番号、調べてくれ」 テツにそう言い、また路地へ向かった。 昨日聞こえたガラスの音は何だったのか、柄にもなく気になっていた。 情報収集はテツよりも得意だ。 アイツは女を騙す天才だけど。