空が明るくなろうとしていた。

「はぁー…悪いことってのは出来ないねえ」

ゴロンと寝転び、テツはワタルを見た。

「……そうかもな」

ワタルも、笑ってそう言った。

「じゃ、俺先行ってくる」

すっと立ち上がり、テツが玄関へ向かう。

「えっ。テツっ?ちょ…」

あたしの言葉は遮られた。

あんまりにも幸せそうに、微笑んでいたから。