その後もしばらく電話口で話を聞いていたテツ。

寝起きのワタルはまだ何事だ、と不機嫌そうにしている。

「まずいことになってる。あの女、やらかしやがった」

テツの目は真剣だった。

「あの女?」

あたしが聞くと、ああ、とリョウ兄ちゃんの彼女だって教えてくれた。

「知り合いなの?」

「まあ、うん。で、アユムちゃんの家に脅迫状、入れたんだって」

「きょ……」

脅迫状?

「なんでっ!!」