名前を呼ばれただけなのに、ドキッとする。

「アユム、ねえ~」

テツがからかうように言った。

「いちいちうっせーよ」

ぶっきらぼうに言うワタルに、またキュンとした。

あたしはドキドキを隠したくて、ゴクリとお酒を飲んだ。

「無理すんなよ」

そんな優しいワタルの言葉が、すごく嬉しかったから。