いや、待てよ、と読み返す。

パソコンで打たれた文字。

「アユムに連絡を取りなさい」

「えっ」

「早くっ」

慌てる美雪には申し訳ないが、これが本物ならば時間はない。

そこには、

“西川アユム覚悟しろ”

とあった。

「携帯がつながらないわっ」

「バイトか?」

「今日は休みで、とっくに学校は…」

「……とにかく、居場所だ」

美雪を落ち着かせると、家を飛び出した。

こんな日が来ることは覚悟していたはずだ。

何があっても守りきる。

もう失いたくはない。

悲しい思いはたくさんだ。