「ハロー。姫君」

「テツ、目立ってるから」

「そお?」

言いながら、校舎に投げキッスをした。

悲鳴が聞こえる。

「もうっ!行くよっ」

テツの車は有名なメーカーらしいけど、あたしには興味がない。

「ちょっとドライブしよっか」

「は?」

「いいから」

少しして、あたしの知ってる風景が流れ始めた。

「ねえ、テツ……」

「んー?」

「ここ、あたし知ってる」

「そ?」