「今日も、遅くなるから。 連絡できねえわ。わりぃ。」 また、嘘。 悲しいほどに嘘を見抜けるようになってしまった。 「そんな顔すんなよ。 好きだから、由紀。」 彼は優しくキスをしてくれる。 ウソつき。 「頑張ってね。 私も、大好き。」 私はもう何回目かわからないほどの、 嘘の笑顔をつくる。 もう慣れてしまった。