「それは俺を信じてるとかの問題以前に、おまえの性格の問題だろ。
そんなだから次から次に浮気されたり家追い出されたりするんだよ。
信じて疑わない性格は短所だとは思わないけど、そのせいで利用される事もあるかもしれないし、少しは直せ」
「……なんか奏一くんといると、たまに教育されてる気分になる」
「俺はおまえが傷つかなくて済むようにしてやりたいだけだ。そもそもおまえが社会人か疑わしいくらいにふわふわしてるから……」
「そうじゃなくて。文句とかじゃなくて……そういう注意をずっと前から嬉しいなって思ってたの。
奏一くんみたいに私の事心配して気にかけてくれる人って、今までの彼氏にはいなかったから」

本当に嬉しくて感謝の意味合いで言ったのに、私の言い方が悪かったのか奏一くんは少し不機嫌そうに「今までの男と比べるな」と言う。
ああ、確かにそれは面白くなかったかもしれないと思って謝ろうとしたところで、和泉くんが声を出して大きな欠伸をした。

「あー、酔ったー。ちょっと横になっていい?」
「え、あ、じゃあ何か枕替わりのモノ……」
「ああ、いいって。そんなんなくてもすぐ寝れる……」

言い終わるか終らないか分からないうちに、横になった和泉くんから寝息が聞こえてきた。

こんなにも早く寝れるものなのかと目を疑ったけれど、どんなに凝視しても確かに寝ていて。
驚きながら視線を移すと、奏一くんがため息をついて和泉くんと見ていた。