「え、えと……高校生、だよね?」

「……赤羽高校の、2年生ですが」

「……!」



や、やっぱり……! あのときあたし、スポーツが強いことで有名な男子高の制服を着た子と、ぶつかっちゃったもん!

彼の返答を聞いて、思わずうつむき気味に視線をさまよわせる。

だ……だって、高校生って。そんな自由な年代なら、あたしみたいな年上女じゃなくても、もっと若くてきゃぴきゃぴしてる、かわいい子がまわりにいっぱい……。



「……あんた、何考えてんの?」



そんな呟きが降ってきたと思ったらぐいっと両頬を挟まれて、上を向かせられた。

彼はなんだか拗ねているような表情で、あたしを見下ろしていて。



「なに、年下男じゃ嫌?」

「え、ち、ちが、そうじゃ、なくて……」

「じゃあなに、自分が年上なのが、気になんの?」



ズバリ、確信をついた彼の言葉に、あたしはぐっと押し黙る。

思わず涙目になってしまったのを隠すため、とっさにうつむいた。

どうやらさっきのキッズのせりふに、自分で思っている以上に、ショックを受けていたらしい。