ピコン


外が雪に埋め尽くされた日の夜。
練習が終わって、家でくつろいでいると、LINEにメッセージが入ったことを知らせる音がなった。

見ると、久しぶりの京吾からのLINEだった。
京吾は、俺とは別の野球部が強い学校に推薦で入学していたから、お互いなんとなく疎遠になっていた。


『今、電話できるか?』


そのメッセージを見て、今度は俺から連絡を入れた。

「もしもし?」

「拓海か?」

「おう。珍しいな。どうした?急に」

「あの、さ……。」

「ん?」

「俺、彼女できたんだ」

「は?そんなことかよ(笑)」

「違っ!いや、その」

「なんだよ」

「んで、俺の彼女さ」

「だから、お前の彼女の話しは」

「いいから聞け!」

「!」

いつもおちゃらけたキャラだったはずの京吾が真剣な声で怒鳴るから、俺は黙って話を聞くことにした。