「拓海~っ!いつまで寝てんの!?学校遅れるよ!」
「お~……」
海が姿を消してから、2年。
俺は、高校1年生の秋を迎えていた。
転校の話を聞かされた後、俺は、「もう海に会えないんだ」と、しばらくの間は野球の練習にも身が入らないくらい呆然と毎日を過ごしていた。
でも、
転校の話を聞かされた1週間後に、なんと海からLINEの返信が来ていた。
「拓海君、長い間返信しなくてごめんね。何も言わずに転校しちゃって、ごめんね。
親の離婚が決まって、お母さんとおばあちゃんの家に住むことになって……。
前にも言ったことがあったかもしれないけど、拓海君に出会えて、本当に良かった!凄く楽しかった!
残念なことは、1度も拓海君の試合を見られなかったこと。だから、私の耳に噂が入ってくるくらい野球頑張って!そしたら、見に来れるかもしれないし。
……なんてね(笑)」