【沙耶サイド】



先輩が出て行って、静かになった、図書室。



「…沙耶ちゃん、落ち着いた?」



二宮先輩は、ぽんぽん、と背中を撫でてくれる。



「だいぶ、落ち着きました…」



さっきまでは頭の中が恐怖で占められていたけど、二宮先輩のおかげでだいぶ、落ち着いてきた。



「ごめんね、オレがそばにいたのに…」


「…いえ」



二宮先輩は、悪くない。



悪いのは、



避けきれなかったあたしと、何がしたいのかよく分からない、先輩。