今まで誰かのことが好きだとか

感じたことがなかった俺が、

初めて感じだ恋心。


恋をすれば世界が変わるなんて言うけど、

俺の世界は暗いままだ。

いつまで経っても変わらないこの光景。

毎日のように見る2人の笑い合う姿。

どんなに頑張っても変わらない。

変えることができない。

きっと2人は…

両思いだろう。


それは俺じゃなくても、

誰が見ても分かることだと思う。


「おい。行くぞ」


ボーっと突っ立てた俺に、

いつの間にか後ろに立っていたコウキが

そう言った。


「お前らもさっさと教室上がれよ」


俺の初恋を知るただ一人の人間。


海田公喜(カイダ コウキ)

親友と言える存在。