「はぁ~」

今朝の事を思い出して、溜め息が出た

「もう、5時だよ。なんで来ないのよ」

ふと、自分の腕を見るとこの間バイト代をほとんどはたいて買った腕時計が、5時10分を指していた

「あぁ、もう!」

バンッ

イライラして、近くに置いてあった机を叩いた

ガタッ



え、何今の音
ドアの外から?
とっさに窓の方を見ると人影があった

あいつだな、結城玲って
そう思った私は、静かにドアの方に近づいて、大きく息を吸いこむと、勢いよくドアを開けた

「あんたねえ、来てるんだったら言いなさいよ、だいた」

「すいません!」

「……は?」