上空に浮かんでいると、庭園の造りがよく分かる。本当に綺麗な庭だな…

庭を見ていると翔太を見つけた。

パーティ会場の外のテラスのところであたしの名前を叫んでる。

「由良ー!」

真剣な顔で。


悪いことしちゃったな…

また翔太に『この馬鹿!』って怒られるだろうな…

あいつ心配性だからな…

ホント過保護すぎだって。



バサ、と翼のはためく音がした。

その音で、飛んでいるあたしを見つけた翔太は言葉を失ったように目を見開いて黙ってしまった。


「"解除"」

あたしは翔太の下に舞い降りた。

舞い降りたあたしを翔太が痛いくらい強くあたしを抱きしめた。

心臓の鼓動が一気に速くなる。心臓が壊れそう。

しかし翔太は黙ったままだ。


「…しょ、うた…?」

「……」

翔太は少し震えているようだった。


「…どれだけ俺が心配したと思ってる」

「…ごめん」

あたしは震える翔太の背中をさすった。

翔太もだいぶ落ち着き、少し離れた。


「どこに行ってたんだ。誰にも何も言わないで」

「えーっと…庭に行ってた」

「庭?なんで」

「綺麗なお庭だなあと思って…」

すると翔太は大きな溜息をついた。

「ったくお前は…って…」

翔太は目を見開いた。