するとアンドラと呼ばれたは思い詰めたように話を始めた。

『お前に話したいことがある』

『どうしたんだ?急に改まって』

お前らしくないな、と少年は笑った。

『お前は俺の仲間だ。だから真っ先に言いたくてさ』

『何だ?どうしたんだ?』



『あのなサファイア…喜んでくれ。


実は、俺とガーネットが結婚することになった』



『え…?』


サファイアと呼ばれたその男の子は、呆気にとられたような顔をした。

『やっぱ驚くよな』とアンドラは笑いながら言った。


『…お前の結婚相手が…ガーネット…?』

『あぁ』


『…本当、なのか?』

『あぁ』


アンドラは嬉しそうに微笑み、ガーネットと呼ばれた女の子は恥ずかしそうに、でも幸せそうに微笑んでいた。

二人とも本当に幸せそうな顔をしていて、手まで繋いでいる。

それが事実なんだと物語った。


『そ、うか…おめでとう』


少年は優しく微笑んだ。

だがその笑顔は切なくて、だけどそれ以上に痛々しかった。

それは、見てられないほどに。



『ありがとう』

女の子は心から感謝しているようだった。


『…挙式はいつだ?』

『明日だ』

『明日!?急だな…』

『早い方がいいだろうと思ってな』

幸せそうに語るアンドラ。


『明日…来てくれるか…?』

『当たり前だ。…俺らは"仲間"なんだから』

3人は微笑んだ。


ガーネットもアンドラも気づいてはいないが、サファイアの拳だけは固く握られていた――

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