「柱を壊していいよ」

パリン、と柱が割れる。

破片を取り除こうと思ったけど、流石"ガーネット"の隊員。みんなそれぞれ"イレイズ"の魔法を使って跡形もなく消し去った。


「皆、1本は完璧な柱だったよ。千沙さんは2本ね。その系統の魔法については何も言うことがない」

皆は安堵したような表情を見せた。


「でも、もう1本の柱は質は悪かったね。魔力に偏りがあったんだと思う」


どうやら血の気が引いたらしい。

安堵していた表情が一気に強張った。

「柱を2本以上創るのは難しいけれど、全ての柱に対して均等に魔力を注いで。でも、魔力は弱めないで。限界まで魔力を注ぎ続けて。

大丈夫、皆なら絶対できるよ」


「「「「はい!」」」」


みんなの顔は強張っている、というより真剣だった。


「もう一度、柱を創って。自分が苦手な系統のものを2本。もっとできる人はそれ以上ね」


みんなは歯切れのいい返事をすると、また柱を創る準備に取り掛かる。


「「「「"タワー"!」」」」

みんなはまた柱を創った。

先程より、質が向上しているように思われる。


「全ての柱に集中してね。魔力が偏らないように気を配って」


言葉をかければかけるほど、メキメキと上達する。

さすがだね。


「他の人達を見てくるから、あたしが終わりと言うまでこの状態を維持し続けていて」

あたしはまた走って別の隊員達の下へ駆け寄った。