扉を開けると、そこには十数人の隊員達。のんびりくつろいでいる。

みんなと会うのは数ヶ月ぶりだけど、元気そうで何よりだ。


「え…?由良さん…?」

一人の隊員があたしに気づいた。

「久しぶり」

そう言って微笑むと、隊員は顔を真っ赤にして倒れた。

風邪?ていうか、大丈夫⁉︎


「大丈夫ですよ。心配ありません」

千沙さんがさらっとそう言った。

まぁ千沙さんが大丈夫っていうなら大丈夫だよね。


他の隊員達もあたしに気づいたらしい。


「「「由良さん⁉︎」」」

「どうしてここに⁉︎」

「今は学園に行かれてるはずでは⁉︎」


だよね〜

「それは私から説明いたしましょう」

千沙さんが、今回の追加の修行メニューのことに関して説明した。

千沙さんはお父様の秘書であり参謀でもある。

だから、いつか他の魔物退治屋か、実力派の魔物密輸業者と戦わなければならないことも知っている。

しかし、今はまだそれを隊員達に、"サファイア"と戦うことを告げるわけにはいかない。

そこで千沙さんは、追加の修行の目的を、戦力強化のため、と説明した。


「そして、その指導係を由良さんが担当することになったのです」

「そういうこと。よろしくね」


あたしは微笑んだ。