そんな事を考えていると、テレビのすぐ上に置かれた写真縦が目に入った。



「あ、これ…」

立ち上がって手に取ると、懐かしい気持ちが甦って来た。



「大翔と、あたしと…初めて2人の家族で食事した時の…」

2年くらい、前だろうか?



よく覚えていないけど、とにかくあたしと大翔が付き合い始めて少し経った頃だった。

広瀬、竹沢の両家で一度食事でもしましょう…って話になった、あの時。




ああ…

なつかしい、な。




―――――――――

「ねぇねぇ、結衣子っ。

大翔君のご両親って、いい方ねえ~」


「は?」


大翔との付き合いを親に報告したのは、付き合って1ヶ月絶ってから。

もしかしたら、「家庭教師との恋なんて」…って反対されるんじゃないかと思って言うのを渋っていたら、急にお母さんに「もしかして付き合ってる?」なんて聞かれて。


その顔が、何だか緩やかだったおかげで上手く報告することが出来たって言うか。



そんな、ある日に。

お母さんが会った事も無いだろう大翔の両親についてあたしに語りだしたからもうびっくり。