シーンという効果音でさえ聞こえない、本当に静かな館内に、あたしの鼻をすする音と涙する声が響く。


本当に一人になった気分。



「あーあっ。
もう、ヤダ…

大翔、帰ってこないじゃん。
もうすぐって、いつなの?

あれって夢だったっけ?」



独り言をつぶやいても、誰も答えをくれはしない。


結局その日は、虚しくなって一人で家に帰った。



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3月5日
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なんか、最近しんどいな…毎日が
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とかじゃなくて、自分が考えてる
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ことが分かんなさすぎてしんどい。
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なんか…学校行きたくないかも。
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その日の日記に書いたとおり―…


あたしはその次の日からきっかり、学校に行かなくなっていた。



親に怪しまれるから、家は出る。

だけどあたしは学校行きの電車には乗らなかった。



反対方向行きだとか、県外行きだとか。


とにかく違う場所に行って、気を紛らわして、一人でゆっくり考える場所を探した。