「分かった。
他の皆を期待させるのは
やめとく…」
そう、あたしが何分も掛けた後に小さく言うと、隼人は小さなため息を吐いて、“ありがとう”と、それだけ呟いた。
それからあたしはその手紙を鞄にしまい、隼人と別れた後駆け足で部屋に戻った。
暖房も何も入っていない部屋は、凄く寒かった。
窓には霜が張り付いていたし、床なんて氷みたいだった。
だけど、そんなの考えてる暇なんて無い、くらい。
あたしは胸がいっぱいいっぱいだった。
部屋に着くなりあたしはベッドに飛び込んで、鞄から手紙を取り出し、何度もそれを読み返しては涙をずっと流し続けた。
「…大翔っ…
早く、帰って、来て――
あたし…
本当は全然強くなんて、
無いんだって…ば…」