「バーカ。

汚くねぇから、
さっさと着替えろ」



…ヤダ。

もう、優しくしないでよ―…



涙、止まらない。

優しさをずっと感じていなかったあたしは、大翔のような温もりを忘れかけていたあたしは、どうしようもなく、寂しい女になってたんだ。



とっさに、隼人の手を握ってしまった。


「…衣子?」

「ここでどうやって着替えろっていうのよ…」


「あ?

あ、あぁ!!

じゃー…俺、外出とくから、
コレ着とけば?」


そう言って隼人があたしのそばに置いたのは、隼人のTシャツ。


「っえ、でも!」

「いーから。

あ、それ綺麗だからな?
ずっと学校においてあったんだから…」