「結衣、何でそんな顔なのよ~
いいじゃない、
隼人と一緒なんだよ?!
…羨ましーんだけど?」
最後の一文だけこっそり小声でそう耳打ちしてきた芹奈。
あたしと琉璃しか知らないけど、実は芹奈は隼人のコトが好きで。
…だからこそ大ごとにしたくなくて、大翔にも言ってなかったんだよね。
…隼人に告白、されたこと。
芹奈には言えない。
ずっとずっと芹奈が隼人を思っていたのは知ってる。
あたしと芹奈と隼人は、中学時代からの付き合いで、特にあたしと隼人は家が近いことから、3人とそこにもう一人を含んだ4人組でつるむことがよくあった。
そのころから芹奈は恋をしていて、あの強気な姐さんキャラからは想像もできないくらい、恋には奥手な芹奈をあたしはそばで見てきた。
あの頭のいい芹奈が、あたしや隼人レベルのこんな大学にしたのも、まだあきらめきれなかったからだったし―…