気がつくと、もうあたしの家の前で。
颯人くん、さりげなく送ってくれた。


果苗と家が近いって言ってたから、
あたしの家とは真逆なんだけど、ね…


颯人くんは、
いつもテンション高くて
何も考えていないと思うけど、
考える時はきちんと考えてるし、
思ったことは言ってくれる。



「じゃー、あしたな!」

「うん!ありがとっ」



自分の家へと歩き出した颯人くんの背中が
見えなくなるまであたしは外に居た。

…なんというか、
颯人くんにはいろいろお世話になってるから。



そして、颯人くんの姿が見えなくなって
家に入ろうとしたら…



「大和くん、ありがとうね~」


隣の大和の家から、前澤さんが出てきた。


あたしはそのまま、
2人の方を向いて固まってしまった。