今日もお昼前には帰れた。
大和を誘おうと思ったけど、
前澤さんとずっと話していて、
話しかけるタイミングをなくしてしまった。


…でも、まだ2人は教室に残っている。


よし!勇気だ、優実。
勇気があればなんでもできる!
…ちょっと違うけど。



「や、大和…!」


震える声で大和を呼ぶと、
大和はゆっくりあたしの方を見た。



「…あの、一緒に帰らない…?」


…なんて帰ってくるかな?
前澤さんと帰っちゃう?


「…あ、えっと。朝日さんだっけ?
ごめんね~、今から大和くんと、
寄るところあるんだよね」


大和に聞いているのに、
前澤さんがそう答えた。