ガラガラガラ



そのとたん、保健室のドアがあいて。
そのドアの方をみると、


「…大和」


ポケットに手をつっこんで立っている大和がいた。
…なにか言われるのかな。


「…優実」


あぁ、君はなぜ、
振り向いてほしい、と思う時に
あたしの名前を呼ぶんだろう。


「おい」

「…!」

「急にいなくなんなよ」

「…ご、めんなさい」

「ったく。意味もわからず泣くし」

「…」

「…お前、えっと…」

「吾妻圭二」

「そう、吾妻。
あとは俺が見るから教室帰ってて」