「け、圭二くんっ…!?
な、なにして…っ」

「…朝日が言ったんだからな」

「え……」

「後悔しないようにしろ、って…」

「…っど、どういうこと…」




あたしがそういうと、
圭二くんはゆっくりと体を離した。



「…気づいてない?」

「な、なにが…」

「……ほらね、無自覚」

「えぇ?無自覚じゃない…「無自覚だ」



あたしの言葉を遮って
圭二くんがあたしの目をみて言う。



「…朝日のこと好きなのに、
お前全然気づかないじゃん」

「……………え?」




…たぶん言葉を発するのに
数十秒はかかった気がする。



「俺は、朝日のことが好きなの」

「え、え、…えぇぇぇっ?」

「…でもお前には大和がいる。
俺が朝日だけをみてても、
朝日は大和だけをみている。
だから、俺の入る隙間なんて、
どこにもねえんだ……」