どうぞ、といい遠慮なく
部屋に俺を入れる優実。


…つーか、もうちょっと警戒しろよ。
ほんとこいつは、
無自覚で鈍感だから困る。




「なんかあったの?」

「いや、別に」



優実に会いに来た、
そう言えばいいのに素直に言えない自分に腹が立つ。



それでも優実はニコニコしていて。



「……優実、おいで」


俺はベッドに座って
両手と両足を広げると優実にそういった。



へ?と声を出す優実を、
俺はそのまま腕を引っ張って自分の胸の中に包み込んだ。