「な、ななななっ」



別に何を話したわけでもないんだけど…。
抱きしめられた、ってこと
言った方がいいのかな?



「あ、そうよ!
なにかあった?」


紗樹の問いに果苗も入ってきて。


2人には隠しきれなさそうだったから、
ぶつかりそうになって抱きしめられたこと、
席をわざわざ1番隅に座らされたこと、
頭を撫でてくれたことを話した。



「きゃーーーー!」

「やばいやばいやばい!
田崎も結構積極的なんだね~」

「…そ、そうかな?」

「うん、そうだよ!
てかぶつかりそうになったからって
抱きしめるとかなくない!?」

「うんうん、せめて腕引っ張るくらいよね!
…ってか、1番隅に行けって……っ」

「もー、ウケる!
嫉妬丸出しじゃん!はずかしい~」

「あははは!大和くんも嫉妬深いんだね」

「まぁ男はみんなそうよ」



盛り上がってる2人に入って行けないあたしは、
勉強道具の準備を始めることにした。