「でももうあそこしか空いてないよ?
ほとんどの子が席座ってるし」

「でもな」

「いいじゃんいいじゃん!
早くいこ!」



ぶつぶついっている大和の腕を引っ張って、
あたしは空いている席に向かった。



わいわい男の子たちが、
盛り上がってる中、



「…あ、あの~っ」



勇気を出して声をかけた。
するとあたしの声に反応して、
男の子たちが一斉にこっちを見た。



「…っ!」

「あ、どうしたー?」

「あの、ここの2席いいですか?」

「いいよいいよー、大歓迎!」



男の子たちはそういって、
また会話を弾ませた。