「……じゃあ、俺はどうすればいい…?」


そう絞り出すように呟いたあおちゃんが、とても小さく思えた。


「あお、ちゃん……?」

「一生懸命生きて、生きて、生きて。それでもダメだったら、俺はどうすればいいの……?」

「え……」

「ねぇ、なっちゃん。教えてよ」


あおちゃんの瞳が、何かにすがるように悲しげに揺れる。


「俺、こう見えてさ、手術とか薬とか点滴とか。小さい頃から頑張ってきたんだよ。みんなが“頑張れ”って言うから、俺なりに毎日頑張った」

「………っ」

「いつくるか分からない発作とだって、必死に闘って。絶対治してやるって、俺、いつも思ってた」

「……うん」

「……でも、病気は治ってくれなかった。この状況でさ、俺にどうしろって言うの?」


なつを鋭く睨みつけるあおちゃん。


「もう少し頑張れって? そんなのもう無理だよ。これ以上、どう頑張れって言うんだよ!」


………初めてだった。


いつもなつには甘いあおちゃんが、なつにこんなに怒鳴ったのも。


こんなに、冷たい瞳をなつに向けたのも。


全部が初めてのことで。


だから、なつはどうすればいいのか分からなかった。