9日前のあの涙なんて忘れちゃうくらいに、今が楽しくて楽しくて。


あおちゃんとまたこうして話せてることが、不思議で仕方ない。


きっとあおちゃんは、なつを笑顔にさせる天才なんだね。


「ねぇ、なっちゃん」

「なに?」

「俺、本当になっちゃんのことが好きだから」


なつの目を見て、やわらかく微笑むあおちゃん。


……嬉しくて、どうにかなっちゃいそう。


大好きな人が自分を好きになってくれて、ちゃんとこうして“好き”って伝えてくれる。


たったそれだけのことが、こんなに幸せなことだったなんて、全然知らなかった。


想いが重なったことが、いまだに信じられないんだ。


「なつも、ね。あおちゃんのこと、大好きだよ……」


あおちゃんの瞳をしっかり見ながら、なつはありったけの想いを伝える。 


ほんの少しだけ、声が震えた。