その目尻にはくっきりとしわが刻まれていて、どことなく時の流れを感じる。


「……お久しぶりです」


なつもあおちゃんのお母さんに向かって軽く会釈をした。


そして、


「なかなか家に伺えなくて、ごめんなさい。今日、結衣ちゃんにも言われました。“なっちゃんが家にきてくれない”って。本当に、すみません」


と、今度は深く頭を下げる。


……でも。


「いいのよ、菜摘ちゃん。菜摘ちゃんが最近受験勉強で忙しいことは分かってるから。だからどうか、顔を上げて?」


あおちゃんのお母さんは、優しくそう言ってくれた。