ここで過ごした6年間が、楽しくなかったから? それとも、みんなのことがあまり好きじゃなかったから? ……ううん、どれも違う。 だってなつは、いつでも優しいみんなのことが大好きだったし、そんなみんなと過ごす毎日が楽しくて仕方なかったもん。 なつは、そっと視線を誰も座っていない斜め前の席へ向けた。 そこは、他の誰でもない、あおちゃんの席。