「ああ、菜摘ちゃん。きてくれたんだね」
あおちゃんの病室の扉をお母さんがノックすると、中からあおちゃんのお父さんが出てきた。
あおちゃんのお父さんはなつのお母さんに軽く会釈して、なつを見ると、
「碧に、会ってやってくれるか?」
と、にっこり微笑んでそう言った。
なんて言っていいのか戸惑ったけど、やっぱりあおちゃんに会いたいのは本当のことだから、なつは無言で頷く。
でも正直ね、怖かったんだ。
目の前に突きつけられた現実を知るのが。
だけど、あおちゃんと一緒に闘うって、あおちゃんと一緒に生きるって、なつはそう決めたから。