それは、突然のことだった。

「席替えをするぞ!」

…え~!!ウソ!!
先生が大げさに笑う。
みんなもザワザワしている。

でも、これはもしかしたら、チャンスかもしれない。
もしかしたら、結弦の隣りになれるかも…

そして、くじ引きが始まった。
…私の番。お願い!!
ガサゴソと箱の中を探る。
これだっ!
しゅぱっと紙を出す。
…えっと、8番か。
黒板を見ると、窓際の席だ。
やった!

早速、机を移動した。

「あっ。みかだっ!」

そっ、その声は…
ふっと、隣りを見ると、そこには結弦がいた。
ドキッとまた胸が鳴り始めた。

「よろしくな!」

そんなことも分からない結弦は、眩しすぎる笑顔で私に喋りかけた。

あぁ、もう!
口元から見える、八重歯。
一重のくっきりした目。
カッコ良すぎだ~。

ドキドキする胸を押さえつけて、喋る、私。

「あっ、あぁ。よろしくね!結弦!」

もう、神様は意地悪だ。
こんなんじゃ、授業に集中出来ないじゃないか。