「みか…。」

なななっ!
机の上にふさいだ顔を、急に覗かれた。

ガバッと見上げたそこには、茶髪のアイツが立っていた。

ドキッと胸が鳴る。
もう、押さえられないこの、鼓動。

隠すように、大げさに返事をする。

「何?結弦?」

「いや~。別に?」

そう、言いながらもニヤニヤする結弦。
あ~もう!
全部がカッコいいんだから!

…見てみたら、分かると思うけれど、私、湯浅みかはコイツのことが、好きなんです。

茶髪の髪、整った顔。
そして、あの性格!
もう、止められない。

でも、好きなんて、言えない。
だって、こんなの、みんなにやってること。

結弦は、いつも、みんなに同じようなことをやって反応を、見てるだけ。

こういう人って、好きな人の前になると、静かになるタイプだ。と、私は思う。

…きっと、私のことなんか、眼中にないんだろうな。