浩太さんを怒らせたかもしれないと思って慌ててるあたしに、浩太さんは乱暴に言った。
その乱暴さも少し怖くて、あたしはギュッと目を瞑る。
唇にかさついた、けど温かい何かが触れた。
何か優しくて、温かい。
本当にキスされてるのか確認したい。けど、何となく確認するのが怖い。
“浩太さん、まさか手とかを唇に押し付けてる?”
……そんな嫌な考えが頭に浮かんだ頃、唇に押し付けられたまま、何かでなぞられた。
「んっ……」
急になぞられたし、何か息苦しくなってきた頃、唇から離された。
照れ屋の浩太さんは思ったよりも顔が赤くなってなくて、代わりに悪戯っぽい笑顔で、あたしの頭を撫でる。
「…御馳走様、ココ」
浩太さんが舌で唇を舐めて、そんな事を言うから、あたしは一瞬意味が分かんなかった。
そのまま浩太さんは指を伸ばしてきて、あたしの唇をなぞるから、あたしはようやく意味が分かった。
……キスしたまま、唇、舐められた!?
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