ゲームをして気を紛らわす事も出来ず、目の前に広がる駅前広場に飾られたイルミネーションを眺めている事にも飽きてしまった。

他に気を紛らわせる事といえば、せいぜい腕時計で時間を確認する事くらいしかないが、何回見ても、何回確認しても、時間は一向に進まない。


その間に、少しでも早く愛川に会いたい気持ちと、遅延に巻き込まれて大変であろう愛川が心配な気持ちが、どんどん強くなってきた。

もはや、買い物に行く予定の店の閉店時間の都合なんかどうでも良くて、一刻も早く無事な愛川の顔を確認したい。

買い物なんて、休日返上で、明日でも出来る。
むしろ、そっちの方が、愛川に会える回数も増える。


…早く愛川に会いたい。
ただの信号トラブルによる遅延だけど、何か凄く心配だし。

……あれ、俺、こんなに心配性だったっけ?
ってか我ながら、女々しい事を想ってる。




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